トモのコウコウ生活が始まったようだ。
春休み中には、コウコウから出された課題を前広に、それはそれは一生懸命にこなし、入学に備えたトモだった。
トモは、僕たちのいる部屋でベンキョウする。
他にトモがベンキョーする部屋があるらしいんだけど、サボって寝るだけの部屋らしい。
なんで僕たちのいる部屋でないとベンキョウできないかというと、よく僕にグチを言いに来る母ちゃんの話では、
僕たちの部屋にはテレビがある。 結構やかましくて、トモはいつも消し忘れる。
パソコンもある。 じーっと見つめながら、手をやたら動かして、カチカチと音をたてるんだ。
たまに、一人でバカ笑いしてるから、ちょっと変。
関係ないけどマッサージチェアもある。 あー腰が痛い、って言いながら、母ちゃんが座って目を閉じているんだ。
よく揺れるのに、なんであんなに気持ちよさそうにしているのか、僕にはよくわからないよ。
母ちゃん愛用の、馬みたいに動く変なイスみたいなのもある。
「おなかと内股に効くのよー。 いいでしょー? ふふ」なーんてトモに向かって言うけれど、
トモは感心なさそうに「あー」って言うだけ。
トモは夜遅くまで僕たちの部屋にいるから、僕たちはいつまでも眠れない。
だけど、母ちゃんにはそっけないトモも、僕たちには優しくて遊んでくれる。
だから、許す。
それにしても、コウコウってとこは、ずいぶん楽しいトコらしい。
毎日毎日、その日にあったことをつぶさに母ちゃんに話している。
今日はバドミントン部に行ってみたよ。
オレのとなりのクラスにかわいい子がいるんだ。
友達がまた一人増えたんだ。
良かったなあ。 トモ。 新天地が楽しそうで。
この時僕は、僕の環境とトモの環境が大きく変わりつつあることに、まったく気づいていなかった。
それは、トモも母ちゃんも同じだったんだ。
2011年09月01日
第3章 D新天地の明るい展望
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